186首感想---アラタイチハフダ

今回の須藤さんはさすがである。
太一のカルタに惑わされず、少しずつ太一から周防さんのメッキを剥がし始めた。
あれほど描かれていた金木犀も、今回はとうとう一度も出てくることはなかった。


太一戦と「ちは」札



ちは札を送り返す直前の「ありあけの」では太一と須藤さんは恐らく15-18くらい、太一がリード。
しかし終盤では9-4と差をひっくり返してしまった。

対戦成績でも分かる通り、太一と須藤さんの実力は拮抗しているため、僅かな心の緩みが命取りになる。

須藤さんは太一の弱点をよく分かっている。
「ちは」札は太一の心を乱すのに格好の餌だ。
千早のピンチという絶妙のタイミングでの送り札だったと思う。
全く美馬君とは違う、勝負においてのゲスさっぷりである。

太一の「ちは」札は、送っても送り返されるから手元に置くしかない。
しかも狙ってはいけない札である。
ならばいかに手元の「ちは」に気を取られずに勝負に専念するかが、勝負の分かれ目だと思う。

須藤さんには「ちは」札=千早が弱点とナメられている。
ならばそれを逆手にとればよい。
ちは」札があろうとなかろうと、太一の勝利への執念を見せつけてやればよい
もう「勝たなくてもいい」なんて言葉は通じない。
勝ちたいと思う気持ちに素直になることが、太一には必要だ。
そうすれば自ずと勝利への扉は開くと思う。

ちなみに「ちは」札は結局〇〇〇〇〇かなあと思っている。


新戦



一方の新の試合では珍しい「お手付き」。
新のお手付きが描かれたのは1巻の眼鏡なし試合と23巻の原田戦のみ。
原田戦は運命戦の空札お手付きだった。
お手付きして終了だったので、ミスしてからの心の立て直しまでは描写されなかった。
恐らく作者は今まで意図的に新のミスを描いてこなかったのだろうと思う。
(こういう仕込みがこの作者のスゴイところ。)

新のポジティブシンキングはポカ作同等あると思う。
けれども「ミスしなければ」とも余計に考えている(原田談)。
裏を返せばミスした時どうなるか分からないということだ。

実際21巻の村尾戦では「ダブもお手付きも怖い」と思っている。
同じ状況でもポカ作ならダブもお手付きも気にしない。
この時の新は最初に一字決まり、大山札が連続して出るという幸運で乗り切った。

予測できないことにズルズルと気持ちが引きずられて自滅する、これはどんな競技の一流プレイヤーでも起こりうる。
意識のコントロールは本当に難しい。

太一戦・周防戦では避けて通ることのできないであろう「ミスさせるカルタ」。
周防さんのフェイントに全く引っかからないのは太一の特別な才能。
恐らく新はミスをする。
今回の須藤さんやポカ作のように、「ミスでも大丈夫」という前向きさ、またお手付きからの気持ちの切り替えができることは、名人戦に向けて絶対に必要なスキルだと思う。

新はどのようにしてこの局面を切り抜けるのか。
そしてこの試合で新がどう強くなるのか楽しみにしたい。


新の「ちは」札



またここでも出てきた「ちは」札。
カルタの神様も本当に気まぐれだ…今回はポカ作陣にある。
新はもうそろそろ「ちは」札を攻める姿勢がないと、さすがに色々とマズいんじゃないだろうか…
この「ちは」札をきっちり攻めることができるのか、こちらにも注目したいと思う。

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