千早に宿る姫君たち

千早の苗字「綾瀬」の由来って…何?
調べ方が悪いのか、色々とググってみたけれども全くサイトに出てこない。
しかし末次先生のこと、この「綾瀬千早」という名前には絶対に何かしらの拘りがあると思っている。
千早の名前の由来について関係のありそうなものを色々調べてみた。
ただしこれから述べることはあくまでもわたしの個人的な意見ですので、重々ご了承ください。


名前の意味



まず「綾瀬千早」の名前の意味を考えてみようと思う。

「綾」

1.物の表面に表れたいろいろの形・色合い。模様。特に,斜交する線によって表された模様をいう。 「 -を描く」
2.斜めに交わること。また,そういう模様。
3.斜文組織で文様を織り出した絹の紋織物。光沢があり,模様が浮き出て美しい。綾織物。

色合いや模様の浮き出た綾織物など、布や絹を連想させる文字である。

「瀬」

1. 川の水が浅く人が歩いて渡れる所。あさせ。
2.川の流れの速い所。はやせ。
3.海流の流れ。潮流。

「瀬」には「水」に関する意味合いが多く含まれている。

「千早」

1.神事に奉仕する女性の用いた、たすき状の布。
2. 女官などが着た貫頭衣形の上衣。のち、小忌おみの肩衣として前が明き、細い襟が付いた。白絹で、身二幅ふたので脇は縫わず水草・蝶ちよう・鳥などの模様を山藍やまあいですりつける。

「千早」はもちろん「ちはやぶる」からだろうけど、神様や布の服にも関係があるようだ。


神話関連



次に「ちはやぶる」に縁の深い竜田川周辺、および神話に関することを調べてみようと思う。

1.龍田大社


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龍田大社は奈良県生駒郡三郷町立野南にある神社。
古くから竜田川のほとりに鎮座しこの地域を護り、風の神つまり風神として信仰を集める。
摂社に祭られている神様が龍田比売命(たつたひめのみこと)。
龍田比売(竜田姫)は竜田山の神霊。(竜田山は今は姿を消している。)
太古から伝わる風神で天地間の大気・生気・気・風力を司り、鮮やかな紅葉の着物を纏った秋の神様といわれている。
また竜田川を紅葉で赤く染める女神として、染色の神・裁縫の神としても信仰されている。

風の神で思い起こされる千早に縁の深い和歌が、千早が最初の一枚目と言っている「ふくからに」。
この和歌には地名こそないが、漫画の中ではこの風神を意味しているのではないかと思う。
「ふくからに」の嵐は、「あらしふく」に繋がる。
「あらしふく」もまた竜田川に縁があり、同時に新の和歌でもある(千早とカルタをして最初に取った札)。

また竜田姫は裁縫の神であることから、名前の「綾」に縁が深い。

2.廣瀬大社


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竜田川を挟んで東側には廣瀬大社がある。
鎮座地は、高田川と一緒になった曽我川・大和川・飛鳥川など奈良盆地内を流れる河川のほとんどが合流する地点であり、水神を祭っている。
龍田の風神・廣瀬の水神として並び称されていて、両神が力を合わせて、この地域の風水害を防ぎ、穀物の豊作を守護してきた。


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竜田川を挟んで東西に並ぶ龍田大社と廣瀬大社。
天の川の対岸にいる織姫と彦星のようにも見える。
三室の紅葉はカササギだ。


御主神は若宇加能売命(わかうかのめ)。
水の守り神で、山谷の悪水を良水に変え河川の氾濫を防ぐ神であり、風雨を調和し、五穀の豊穣を守る神様である。

この神と関連があるといわれているのが、同じ特徴を持つ「瀬織津姫」。
水神や祓神、瀧神、川神で、人の穢れを早川の瀬で浄める神である。

瀬織津姫を祭神とする神社の一つに東京都府中市の小野神社がある。
府中市は千早たちの生まれた土地。
千早ー府中ー瀬織津姫ー若宇加能売命ー廣瀬大社ー竜田川と繋がっていく。

また千早が新の部屋で取った「せをはやみ」、これもまた、川に縁のある和歌である。
千早の苗字「瀬」は「せをはやみ」の瀬であり、瀬織津姫の瀬でもある。

3.七夕

七夕に登場する織姫であるが、中国から伝承した織女と日本古来の瀬織津姫が融合した姿とも言われている。
この瀬織津姫の記述は古事記・日本書紀には一切ない。
ただ瀬織津姫と織姫の関係について記述しているサイトは山ほどあるので、興味のある方は是非調べてみてください。

織姫は一途に彦星のことを思う、恋に生きる姫君。
まさに恋の歌「ちはやぶる」に相応しい姫だと思う。


三人の姫



以上のことから、千早には三人の姫が宿っていることが分かった。

「綾」…「風」「織物」を司る竜田姫。持ち歌は「ふくからに」
「瀬」…「川」を司る瀬織津姫。持ち歌は「せをはやみ」
「千早」…「恋」「織物」を司る織姫。持ち歌は「ちはやぶる」



「せをはやみ」と新


川の上流には早瀬があり、滝がある。
滝川の迸る水の力によって、空気は渦巻き、滝風が生まれる。
滝風は山嵐となって竜田川に激しく吹き降ろす。
三室山の紅葉が山嵐に吹かれ、竜田川を真っ赤に染め上げる。



20巻で太一が千早と対戦した時の吹き荒れる風。
そしてこの時以来消えてしまった「ちはやぶる」。どこかへ失われた紅葉。
31巻の歌「このたびは」。表紙は新と太一。紅葉は手向山で運命に任されていた。
33巻の歌「うかりける」。表紙は新。紅葉が消えた、初瀬の山からのつれない風。
新がガリガリで狙いにいった「せをはやみ」。
そして新の歌である「あらしふく」。三室の山から吹き下ろす情熱の風と竜田川。

竜田川を染める三室の紅葉は、未だ行方知らずだ。
しかしそれでも諦めたくはない。「せをはやみ」だけは絶対に誰にも渡さない。
新は滝川の流れで風を起こす。山嵐が竜田川に吹きすさぶ。
いつかきっと紅葉が戻ると信じて、川はいつものように流れ続ける。

これが新から千早への一途な想いなのだろう。
美しい絵巻物のような一連の流れに、作者の想像力の豊かさを感じ、実に唸ってしまうのである。

ちなみに実写の広瀬すずさんの苗字「広瀬」は「廣瀬」と繋がるが、全くの偶然。
しかしこれもまた運命。
ロケ地に栃木県足利市の「織姫神社」を選んだのも、小泉監督の洒落た心遣いだったのではないかと思っている。





それから10月7日、8日は国民文化祭のかるた団体戦!



二日間もカルタの試合生中継なんて、超ゼイタク!!ニコ生さん太っ腹!!
そして注目は何といっても、ここでしか見られない楠木さん!
ニコ生さん、是非是非楠木カメラを!どうかよろしくお願いします!
posted by とかさま at 00:00考察

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