ちはやふる37巻感想---運を引き寄せろ

2018年2月13日発売


37巻は新と牡丹。(椿と書いてあるが末次先生ツイッターで牡丹と訂正あり。)
牡丹の花言葉は「王者の風格」「富貴」「恥じらい」「人見知り」。


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オリコン週間一位!おめでとうございます!


そこに咲いているだけで人々は魅かれ、存在そのものが安心感を生み出す。他を圧倒する美しさを持ちながら奥ゆかしい佇まいを見せる、まさに花の中の王様。

またこの表紙は34巻と35巻のシリーズになっている。
34巻の千早の髪結わえは速水戦での「札が浮いて見える」というシーンに、35巻の太一の耳掛けは「勝ちにいく」という覚悟に、それぞれ話の中の意味へと繋がっていた。
新はまだ自分の襷を持っていない。襷は次巻で新の邪念を生むきっかけになるけれども、表紙に描かれるくらいだし悪いことばかりではないだろう。何かしら今後の伏線になっているのではないかと思っている。


運の引き寄せ方



さてこの巻では、太一が自分について見つめ直す話や新の名人への決意などが描かれているが、千早に関しては準決勝の理音戦で運命戦に勝ったシーンが印象深い。


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37巻の歌でもある「はるすぎて」はこの運命戦の勝利の決め手になった歌。

千早 引き寄せろ

これは二人の運命戦を見つめる太一が心の中で叫んでいた言葉であるが、ここで彼女はどうやってこの言葉通り運を引き寄せることが出来たのだろうか。
今回はこの点について考察してみたいと思う。


幸運貯金



まずこの時の状況を説明すると、千早には「たれ」理音には「はなの」が残っており、空札は「たち」「はるす」となる。
千早は「た」の聞き取りには自信があるから、「たち」「たれ」が読まれさえすれば迷うことなく勝つことが出来る。

しかし問題なのが「はなの」と「はるす」。
いくら流れが千早にあるとはいえ相手は「感じ」モンスターの理音、「は」が読まれてから抜きに行くことは非常に困難であり、お手つき以外の勝ち目がない。
この危機的状況をどうするか…ここで千早はあることに気付く。田丸さんの存在である。

田丸さんは 未来だよね?

運は五分五分、足りない運は他で補うしかない。千早は未来と信じた田丸さんに全幅の信頼を寄せ、自分の命運を掛けてみたのである。

高校選手権予選の時から、千早はいくら誹られようと毛嫌いされようと、瑞沢のリーダーとして田丸さんを助けてきた。
承認欲求の塊のような田丸さんが生まれ変わることができたのは、千早の無償の信頼によるものである。(このあたりの詳しい説明は190首感想を参照)
自分のためでなく人のために行動する。こうすることで運はどんどん積み重なっていく。かなちゃん風に言えば「幸運(ラッキー)貯金」の積み重ねである。
田丸さんの存在や実力を決して妬むことなく主将としてあるべき姿を見せることで、千早は少しづつ彼女に自分の運を積み重ねてきた。

ほんの一握りの特別な人を除いて、運は向こうから勝手にやってくるわけではない。
運は行動を起こして初めて掴んで手に入れるものである。
人を助け、感謝し、行動する。一生懸命に努力すれば運は後からついてくる。
運とは信じることである。プラス思考で「運がある」と信じていれば、チャンスは必ず向こうからやってくる。


千早が田丸さんを信じることで、田丸さんは日頃から抱いていた不安から脱することができ、随分と心に余裕が生まれた。
余裕が出れば落ち着いて冷静な判断をすることができる。お手つきする確率もぐっと減る。「はるす」が読まれればまず間違いなく田丸さんは勝てる。

逆に理音は共お手と千早の6連取を引きずっており、かなり焦りが生じていた。
「感じ」がいいにも拘らず「は」が読まれた途端とっさに理音の手が動いてしまったのは、焦って田丸さんの動きに釣られてしまったからである。


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こんなこと、いつもの理音なら絶対にありえない。理音のお手つきは田丸さんがもたらしたものともいえる。まさに千早にとって「幸運(ラッキー)」以外の何物でもなかった。


他人のためは…



このまえの運命戦みたいに いい運が必要な時は絶対あって…だからほかの部に良くしといたら 自分にもかえってくるかなあって!

勝負で自分の命運をにぎるのは自分じゃないと なんとなくでもわかっているのは たいしたものです

千早が田丸さんのため良かれと思ってしてきた行いは、運命戦で田丸さんが運を引き寄せてくれたお陰でようやく実を結ぶことになった。
11巻の千早と深作先生の言葉はこの運命戦で見事証明されたわけである。
他人のためは自分のため、お前の運は俺のもの(笑)というものすごく強欲な話ではあるけれども、この運命戦の流れはある意味千早らしいエピソードだなと思っている。

25日はあわらのちはやふる感謝祭。残念ながらわたしは行けませんが、行ける方は是非とも楽しんできてください!超重大発表とはもちろんアレですね。ということは原作の終わりも近いんですね…こんなに特定の漫画を好きになることなんて、もう二度とないと思う。めぐり逢いて…寂しい。金ローでのちはやふる劇場版の放送に「結び」ももうすぐ。原画展もあるし、キャラクター総選挙も。最後までちはやふるを存分に楽しみたいと思います!