ちはやふる201首感想---跫音

BE・LOVE 2018年14号掲載


東西挑戦者決定戦二回戦終盤。名人・クイーン戦予選ともに熱戦が繰り広げられる中、とうとう千早と結川の戦いに決着がつく。

クイーン戦予選決着



着実に調子を取り戻しつつある千早に対し結川のとった作戦は、「札を大量に移動させ右陣を厚くすること。」再び見せてくる結川の柔軟な戦略に、暗記の苦手な千早は叫べないムンクのごとく無言の悲鳴を上げる。


201-3.jpg
叫べないムンク


しかし千早は弱点である暗記を嘆くのではなく、受け入れた。弱さを認めることで、人はより強くなれる。
暗記がダメなら、考えを切り替えてそれを強みにしてしまえばいい。

千早の長所は「忘☆却☆力」

短所は長所。ネガティブはポジティブに。忘れることってなんてステキ。カルタにおいては「感じ」よりも大事な才能とはいえ、世間一般にはこれを開き直りともいうwwでもこれこそが千早の最大の魅力。ああもう千早大好きや…!(笑)

自分のペースで一歩ずつ着実に足場をならしていく結川に対し、千早はムラがあろうが凹凸があろうがとにかく目的地へ着くことが最優先と、道なき道をゴリゴリ強引に造り上げ積極的に攻めに行く。その底知れぬ強欲な勝利への執念は、隣で戦う太一にも肌で伝わってくるほどであった。(「ほととぎす」の札の流れと二人の不思議な繋がりは、恐らく映画を意識してのものだと思われる。)

ずっと聞こえていたでしょう 遠く小さくでも止まらず あなたにまっすぐ向かってくる足音が

ひたり、ひたり…畳に吸い付く足の音だけが競技場に静かに響く。

それはカルタの女神のもとへと辿り着くことができた、たった一人の選ばれし者の歩く音。気高く、美しく、孤独に佇む彼女の心のドアノブに手を掛ける権利を得たのは、白富士への切符「たごのうら」を見事掴んだ千早であった。


201-2.jpg


札を引き上げるのは勝者の仕事。千早の手の中にある箱を見つけ全てを理解した詩暢は、驚きとも喜びともとれる表情で、僅かに頬を緩ませるのであった。


名人戦予選終盤



さて無事決着の着いたクイーン戦に対し、名人戦予選の方はまだ試合が続いている。

二人の実力の差は「三枚」から動かない。一回戦では太一の奇抜な場外戦略により新の力を削り取り、勝利寸前まで追い詰めることができた。しかしガチンコ勝負ではそう簡単に実力の差を埋めることはできない。太一は名人直伝の勝ちに執着しない戦い方で冷静さをキープし、新の本気の力になんとか食らいついている状態である。

終盤の二人の枚数は新が残り一枚、太一が残り三枚。新が次に取れば三枚差で勝利する。

新の陣には「ちはやふる」。結局新は最後までこの札を太一に送れないでいる。特別な札に拘るのはダメだとあれほど反省したのに。夢枕でじーちゃんに叱られるぞ。それとも何か考えがあってのことなのか。この戦いにおいて太一にちはを送る勇気を出せるかどうかが、今回の彼の最大の試練だとは思っていたのだが、さてどうなのだろう。太一に送って攻め取るためには、あともう一枚自陣に札が必要となるのだが…

対して太一の陣にはまだ札が三枚残る。自陣への加速も見せる新の方へは、奇跡でも起こらぬ限り切り込むことは難しい。最後まで自陣を守り切れるか、もしくは自分の一番の切り札である「翻弄する力」で新の動きを惑わせ、お手付きを誘うことができるかが重要な鍵となるかと思う。勝ちに執着するのかしないのかも気になるところ。ちなみに「運命戦になったら譲ってもらえる」というような、相手任せの棚ぼた運をうっかり期待してしまうと、心に油断が生じるので気を付けて。

また残った札の意味するものは、ざっくり述べると次の通りとなる。

新右陣…「ちはやふる」→恋心
太一右陣…「ふくからに」→千早・「ちぎりきな」→失恋
太一左陣…「せをはやみ」→再会


次回は恐らく二回戦に決着がつく。「三枚差」の実力はどう動くか。運命の一戦に心臓バクバクで目が離せません…!

とうとう千早はクイーン戦出場決定ですね、おめでとう!\(^o^)/今回の足音のシーンは、じっとりとした足裏の汗の感覚や、ひたひたと歩く裸足の音がこちらまで伝わってくるような、ゾクリとした感覚を背中に感じました。本当に半端ない…!またずっと本人を悩ませてきた「忘却力」を自分の力に変えてしまうという、千早の発想の転換に思わず爆笑ww神経の張りつめたエピソードがしばらく続いていただけに、久々の残念な千早が見れてほっとしました。でも受験が余計に心配になりました(笑)