ちはやふる中学生編17首感想---仲間が欲しい!

BE・LOVE 2018年21号掲載


中学二年10月から千早卒業まで。カルタのために進路をどうするべきか、千早は大いに悩む。


あらすじ



肉離れと診断された千早は部活動停止となるが、不本意にもカルタまで禁止となってしまう。その間勉強するように原田先生やみちるから勧められるものの、勉強嫌いの千早はたいして乗り気ではない。しかしみちるの志望校が瑞沢高校であることを知り、みちると同じ高校に行きたいと思う千早は、受験について少しずつ思い悩むようになる。

しかし瑞沢は進学校だけあって、ハードルはすこぶる高い。中間と期末考査、5教科合計で最低でも430点以上、できれば余裕をもって9割の点数は欲しいところ。当然ながら千早はそれに遠く及ばず模試の成績はD判定で、今のままでは望みをかけられるようなレベルではなかった。ちなみにみちるは当然のごとくA判定をとっており、生徒会活動もして内申点も高い。千早はみちると同じ瑞沢高校への進学をぼんやりと夢見るものの、それはあくまでも夢であって現実的ではなかった。

3週間後、怪我も治り、千早はようやく白波会へ。そこには久しぶりに顔を合わすヒョロがいた。自然な流れとして(というか、かなり強引に)千早はヒョロを試合に誘う。

しかし結果は二枚差で千早の負け。カルタの強豪校・北央学園にて、先輩・後輩に鍛えられながら厳しい練習に耐え抜いているヒョロの実力は、一人で黙々と練習をするだけだった千早の実力を上回った。

僕には 仲間がいたから

千早に実力を素直に認められ、はにかみながら答えるヒョロの表情には、溢れるほどの自信がみなぎっている。北央の部員たちの強さが僕の誇りだと胸を張るヒョロの笑顔に、千早は一抹の不安を覚えた。ブルーシートを引き剥がされ、ぽっかりとした空洞が見つかったような、見て見ない振りをしていた「仲間」への羨望と寂しさ。

ヒョロは変わった。仲間を得て強くなった。自分もやっぱり諦めたくない、何としてでもカルタの仲間が欲しい!

あたし高校ではかるた100パーセントになって かるた友達作ります!


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千早は心に漂う虚ろな空間を、希望に煌めく星のかけらで埋めていく。新たな決意を胸に、思い切って受験が終わるまでカルタを休み、勉強に専念することを原田先生に宣言する。原田先生の千早への勉強のご褒美は、「原田先生に勝つために、特別な訓練をさせてもらうこと」。それを励みに、千早はみちるに(半ば巻き添えにして)助けてもらいながらビリギャルのごとく猛勉強を重ね、無事に受験を乗り切るのであった。


雑感



今回はいつものように感想を交えながら書けなくて申し訳ない…千早に関してだけは、どうにもこうにも表面的なことしか分からないのです。好きなキャラには違わないのですが。例えて言うなら、鎖国している江戸の人が高級フランス料理を食べているような気分でしょうか。「美味しいけれどよく分からない。分からないけど美味しい。」とりあえず気になったところを述べておきます。


1.ヒョロの千早への呼び方



ヒョロの千早への呼び方が変わりました。本編ではいつの間にか「綾瀬さん」から「千早」となっていて、それはちはやふる七不思議の一つでもあったわけなんですけれども、それに至る経緯が明らかとなりました。


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1巻では「綾瀬さん」のはずが、

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3巻では急に「千早」と呼び捨てです。


ヒョロがようやく千早に勝って実力を認められたこと、これが呼び名を変えるきっかけとなりました。「戦って楽しかった」と満面の笑みで言われたら、そりゃあ嬉しいですよね。「千早」と名前で呼べるようになったのは、彼が千早に心を開くことができた証でもあるのです。


2.「両立」致しません



カルタと受験ですが、中学生のときには両立していませんでした。両立は高3になっての初めての挑戦というわけです。千早にとって人生最大の一大イベントなんですね。34巻での「クイーン戦に出たい」という覚悟が相当のものであり(そして母親の不安も極限でありww)、千早が両立、両立と喧しく騒いで自身を鼓舞していたのもなんとなく頷ける気がします。


3.カルタをする目的の変化



ヒョロと戦うことで千早のカルタに対する姿勢も見直されます。仲間と共に切磋琢磨して、技術や実力をどんどん積み重ねていくヒョロが羨ましくてたまらない千早は、「新に会う」ためのカルタから「仲間を作る」ためのカルタへ、徐々に目的をシフトしていきます。千早の心の支えはあくまでも「仲間」であり、仲間から情熱をもらって強くなりたいと、この時点から自覚し始めるわけなんですね。これを読んでから部活創立時の話を読み直すと、「仲間」を作ることにこだわる千早の心情をよく感じ取れるのではないかと思います。

というわけで、次号でとうとう中学生編最終回!おと先生の描く千早たちがものすごく可愛かっただけに、寂しいです~…(´;ω;`)ウゥゥ…というわけで、次回作はちはやふる幼稚園編、もしくはちはやふる花の平安京編なんて、いかがでしょうww